公務員試験勉強法

民間経験者が語る公務員の業務 民間との違い10個

目次

この記事では民間を2社経験し、その後公務員を1箇所経験した猫田が公務員の仕事の実態についてお伝えします。

公務員として働き始めた時は民間との業務のギャップが多く、驚きました。

この記事は、民間から公務員への転職を考えている方向けです。

または、公務員の仕事にこれから着こうという方に民間との違いをお伝えしたいと思います。

【結論】個人としての能力は高めにくい職場である

先に結論を言いますと、業務を通しての個人的な能力の成長は難しい職場です。

理由としては次の項目よりお話しします。

たまたま私のいた職場は税法という特定の分野を専門に扱う役所だったので、その分野についての知識は尽きました。

仕事を通して身につけた税法の知識は財産だと思います。

一方で、民間の社会人でよく聞く「業務効率化能力」「PDCAサイクル」などとは程遠いと思います。少しずつ公務員も変わってきていますが、民間に比べるとまだまだです。

民間経験者の立場から見ると、昭和で時代が止まっている業務が多いです。具体的な例は後述します。

私は民間時代に身につけた「エクセルの使い方」や「スケジュール管理のコツ」は公務員になっても非常に役立ちました。こういった汎用的な能力は育ちにくいと思います。 

①数年ごとに部署が変わる

国税専門官の他、県庁や市役所などの公務員の仕事は数年ごとに部署転換する場合がほとんどです。

数年ごとの配置換えにより人の流動化が起き、不正が起こりにくい現場になっていると思います。

一方で、スペシャリストは育ちにくい環境です。

就活中の県庁の人事担当者は「ジェネラリストになってもらいたい」と言っていましたが、まさしくそうですね。

県庁に就職した私の友達の話や就活中の県庁の人事担当者から、数年ごとの部署転換はマストという話を聞きました。

ここからは県庁に就職した友達の話ですが、

国税専門官と違い、部署が変わると業務内容が180度変わるようです。そのため、部署替え1年目は新人の時と同じようにメモを取って必死に業務内容を覚えるようです。

国税専門官の場合も畑違いに放り込まれることはあります。総務や人事になるケースはいくらでもあるので、数年ごとの部署配置による影響は国税専門官の場合も当てはまります。

②まだまだ紙文化

ペーパーレス促進が進んでいますが、まだまだ紙文化の職場です。

外部から提出される書類が紙なのは仕方ない部分がありますが、上司に決裁をもらうときも紙にハンコをもらいます。電子の決裁システム導入してほしいです。

民間にいた時は課長決裁をもらう場合は全て電子システムで申請する形式でした。

紙決裁の話を聞いた猫田は「え、紙、、、!?」と当惑しました。

また、研修資料や業務資料など膨大な量がPDFで配信され、それを各々印刷して保管している状態です。仕事用のiPadが配られたら一気に紙が減りそうです。

公務員も少しずつペーパーレスが進んでいるとは言え、民間の足元にも及ばない状態です。

③外部とのメールNG

私のいた職場だからだと思うのですが、セキュリティがガチガチに固められているため外部とのメールができませんでした。

そのため、必然的に資料は紙でのやり取りになっていました…

セキュリティ第一とは言え、時代に逆行しています。

④電話対応が多い

外部とメールできないために、必然的に電話が多くなります。

外部の電話対応の当番になった時はひっきりなしに電話がかかってきて面食らいました。

ブラック企業で働いていた時も電話が多かったですが、それは取引先からの電話が9割です。しかし、公務員の電話だと初めましてのお客さんの電話が9割です。

内容もどんな質問が来るか分からないため、猫田は電話当番が苦手でした。

電話対応は非常に大変だった記憶があります。

⑤窓口・電話クレーム

クレーム、多いです。

業務の相手が『対 個人』なのが公務員の特徴ですね。しかも対象は全ての人間。

市役所や区役所の方がもっと多いかもしれませんが、そこそこのクレーム量がありました。多くの場合お金が絡んでいるので、クレーム言う方も本気なんですよね。怒る時に「叫ぶ」人もいます。

民間では経験がしたことがないレベルのクレームを受けました。

1年間もいればクレームで怒鳴られても慣れてしまいましたが、やはり目の前で大声を出されるのは嫌いです。

賢明な人は淡々とこちらの不備や納得できない点の説明を求めるので会話が成り立つのですが、頭に血が上っている人は会話になりません。

クレーム対応、、、、本当に大変な仕事です。

⑥基本、前年踏襲

ゼロベースで考えるのが苦手です。

基本、前年の真似をすることが通例なので、昨今の「コロナ対策」のようなイレギュラーな対応は苦手と言えます。

クリエイティブな考え方の人、新しいことにチャレンジしたい人は公務員には向かないと思います。本当はこういう人こそ公務員の中に入って改革を進めてほしいところですが、、、

⑦評価による昇給が難しい

公務員は「頑張っても頑張らなくても給料は同じ」という言葉を聞いたことあるでしょうか?この言葉は9割正しいと思います。

一応、がんばったら少し賞与に上乗せされたり、長い目で見たら昇級が早かったりすることもあります。しかし、金額で言うと微々たるものなので、金銭的なモチベーションを持ちづらい状況です。

金銭的なモチベーションを持たないと、もともと能力ある人でも本領を発揮しなくなります。

能力は鍛えて成長すると思うので、組織としても個人としても現状は非常に残念なことになっています。

⑧PDCAサイクルのPが無い

PDCAサイクルが機能していないです。

私の職場はそもそもPの「P=計画」の段階がなかったです。

国家公務員の総合職ではないので、業務を遂行する部隊であることは覚悟していました。

そのため、仕方ない一面もあります。

しかし、人間は計画を立てる癖がなくなるとやばいと思います。

誰かが立てた計画を正確にこなす能力は非常に大切ですが、自分で計画を立てる能力は生きていく上で必須です。

自分の人生のプランニングは自分しかできません。

その意味でも、計画する癖がなくなるのって本当に怖いなと思いました。

⑨職責がはっきりしている

「揉めたら上司へ」という体制ができていました。

クレームで揉めたら早い段階でとりあえず上司に持っていくようにしていました。

民間の時は、「一人で全て解決まで持っていきなさい」というスタンスだったので大変助かりました。恐らく、新人が一人で抱えて大きなトラブルに発展するくらいなら、早めに消火活動をしようという狙いなのかと思います。

クレーム対応あるあるですが、

同じ説明でも新人が言うと納得してもらえなくても、年配のおじさんが説明すると納得してもらえることがあります。

経験上、「偉そうな人が出てきた」(実際はそんなに偉くない)という事実だけでクレームが収まることが多々あります。

⑩パソコンに弱い職員が多い

エクセルの使い方を職場で教えてもらうことはありませんでした。

私は民間勤務の経験があるので、その時に身につけたVLOOKUPを使っていたら周りに感動されました。ショートカットキーも知らない人が多いのが実情です。

まとめ、公務員の業務は「均一化」を目指している

公務員の業務は「均一化」と言う言葉がぴったりだと思います。

誰がやっても同じクオリティ・同じサービス。それを目指しているのだと思います。

それはそれで大事なのは分かりますが、組織を一旦離れ個人として見た時には能力はつきにくい職場です。

個人としての能力を高めるならば、公務員として働きながらスキルアップの習い事や資格取得に挑むのが吉です!